戦争報道 - ペンタゴンからメディアへの指令？

02.06.2022 | www.kla.tv/22692

ロシアは報道の自由を行使しておらず、報道において批判の声を抑圧していると繰り返し非難されています。しかし、欧米の報道はロシアよりましなのでしょうか？現在の戦争報道は中立の立場から双方の戦争犯罪を伝えているでしょうか？それとも西側の報道も操作されていると考えるべきなのでしょうか？ 調査報道ジャーナリストであるトーマス・レーパー氏は、著書『INSIDE CORONA』の中で、報道におけるメディアの役割などについて書き、2008年に起きたことを指摘しています。当時、米国のNew York TimesとヨーロッパのSPIEGELは、ブッシュ政権の巨大なPRチームが長年にわたって世論を操作していたことを明らかにしました。PRチームの目的は、当時のアフガニスタンやイラクでの戦争をメディアに成功として報道させることでした。その結果、2009年にはペンタゴン、つまり米国国防総省が2万7000人を雇用して、米国の戦争に関するメディア指導に当たらせていたことが明るみに出たのです。スイスのTages-Anzeiger紙も当時この問題を取り上げて実態を指摘し、当時のAP通信社のトップ、トム・カーリー氏の知見を引用しています。「軍のPR機構は年間47億ドルの税金を使っている。」2004年以降、支出は63％増加しています。2009年には、5,400本のプレスリリース、3,000本のテレビスポット、1,600本のラジオインタビューが予定されました。2007年の2倍です。これは、拡大し続けるペンタゴンのメディア帝国のほんの一部に過ぎません。PRチームの規模は米国の大半の報道機関を上回ります。SPIEGELの記事によると、国防総省の職員はメディアで専門家であるかのように装っていますが、正確な情報や分析をどこから入手したかは決して公表しません。レーパー氏の結論によれば、SPIEGELや他のメディアが省庁や情報機関の「匿名の情報源」と言えば、その記事はPR機関から意図的にメディアに流された、世論をミスリードするための情報であると考えてほぼ間違いありません。AP通信社の当時のトップ、トム・カーリー氏の話に戻しましょう。彼はペンタゴンのプロパガンダの数字やファクトのことを知っていました。スイスのTages-Anzeiger紙は、ペンタゴンの膨大な数の職員がどのようにして報道機関用にしつらえた戦争レポートを提供するかという問題を取り上げています。彼はもう一つ重要なことを知っていました。2009年2月、カンザス大学のジャーナリストへの報告で、トム・カーリー氏は、米国防総省が戦地の記者に対して圧力をかけていることを指摘しました。2003年以降、イラクで24時間以上逮捕・拘束されたAPジャーナリストは11人以上に上ります。米軍の上級将官たちは、記者たちがジャーナリズムの原則を固持し続ければ、彼らもAPも破滅すると脅していたのです。明らかに、当時からペンタゴンの「西側は民主主義と報道の自由のために戦う」というモットーはポーズにすぎなかったのです。2012年にトム・カーリー氏がAP通信のトップを辞任して以降、この問題に関する報道は消えてしまったと、トーマス・レーパー氏は著書『INSIDE CORONA』で報告しています。レーバ―氏は最後に、残念ながらこれらの事実を公表しても何も変わらなかったし、当時も批判的な追及や抗議の嵐は起きなかったと述べています。とはいえ、この典型的な例は、メディアがどのように報道を行うのか、またペンタゴンがいかに戦争報道に直接的な影響を及ぼしているかを示しています。現在の戦争報道を読むときに、こうした過去の戦争報道の例を頭に入れておくことは意味があることなのです。

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Sources/Links: Buch „INSIDE CORONA“ von Thomas Röper J.K. Fischer Verlag S. 263-270 Artikel im Spiegel: https://www.spiegel.de/kultur/gesellschaft/gekaufte-meinung-pentagon-beschaeftigt-pr-armee-fuer-us-tv-a-598419.html
Artikel im Schweizer Tages-Anzeiger: https://www.tagesanzeiger.ch/ausland/amerika/27000-PRBerater-polieren-Image-der-USA/story/20404513